劇場版「Fate/stay night [Heaven’s Feel]」 Ⅱ.lost butterflyをみたので感想を書きます。

fate/stay night: heaven's feel ii. lost butterfly

もう少したってから感想を書こうかと思いましたが、第1章の感想へのアクセスされる方がいましたので、2章と間違われてアクセスされているとすると申し訳ないので公開2日目ですが感想を書きます。

ネタバレもありますのでご注意ください。

始まりは1章の終わりの柳洞寺から始まります。1章を見た前提の2章なので最後がどのような話だったか曖昧な人は一度見た上で映画館にいったほうがいいと思います。

キービジュアルにある通り、これまでの話ではメインストーリに関わってこなかった桜を中心にしたルートなので今回は士郎と桜の関係性をしっかり描かれています。

英霊同士の戦いである聖杯戦争を題材にした作品ですが、本作品では人間同士の関わりが主に描かれている印象が強いですね。

特にこれまで最後までともに戦い抜いたセイバーがいないのが、これまでの作品と印象を大きく異なっている要因なのかなと思います。1章の最後に謎の影に取り込まれて本作ではどこで出てくるのかはらはらしました。(キービジュアルの中心にいますしね)

今作は、日常と非日常が交互に訪れていくので非日常の不気味さも際立っていますが日常を描かれているときもどこか歪みが出てきているように描かれている印象が強かったです。自分でも意識していないときにつぶやかれる桜の言動や、これまで魔術とのかかわりがあまり描かれていなかった衛宮家での桜の行動が、士郎が見ていない部分でどこか歪みをはらんでいっているのが印象的でした。

いい子を演じている裏で士郎への愛情に独占欲が混ざって自分の中で抑えきれなくなっているように描かれていました。士郎もかわいい後輩である桜にある種の幻想というか、思い込もうとしていてどこか問題があると気づきながら考えないようにしているのもどこかいびつな感じがしました。

 

もちろん英霊との戦いも描かれています。ただし、これまでと違い正面戦闘ではなく歪み不純な要素が前面にでてきた戦いが描かれています。

士郎のサーヴァントであるセイバーは謎の闇側に付き、更に敵側には対サーヴァントに対して絶対でそれ自身が無制限の攻撃が可能な黒い布のような協力な援護があるという状態での戦いとなります。

しかもセイバーに至っては、最高のサーヴァントとして描かれるが士郎が魔術の知識が無いという足かせがある状態で戦っていたこれまでと違い、オルタになったセイバーは無制限に宝具を連発できる状態で反則級の状態です。

何かを犠牲にすることを前提で止めてきたバーサーカーを圧倒して殲滅していく様は、すごかったです。狂戦士で12回の命のストックがあるとはいえ、それをすべて使っても仮面を壊すだけしかできないのは、圧倒的な力の違いがより濃く描かれていました。映像の表現もきれいですごかったです。

また真アサシンも布の援護がある前提で、アーチャーと対等に渡り合ったのも布の異質さを際立たせていると感じました。

 

そして今作で登場しついに戦闘を開始した、先の聖杯戦争のアーチャーギルガメッシュも印象的でした。ただ印象はこれまでのラスボスとして絶対的な悪として登場するが、今作ではなにか達観した先人としての風格があるように感じました。

言峰綺礼との問答もそうですが、戦闘を開始した際の言葉もなにか裏にあるものを理解した上で嫌悪しているように感じました。1つ前の聖杯戦争の中で描かれたバーサーカーに自分の武器を奪われた際に激昂したときとは異なり、自身の武器を使用してでも殲滅しようとしていると感じました。ただし、その歪みに対する理解も過小評価していたように感じました。

「慢心せずしてなにが王か」といっていたギルガメシュですが、今回足を切断されたのは慢心なしに虚をつかれたんだと思いました。

 

今作の最後で出てくるのは士郎に対峙したギルガメッシュではなくギルガメッシュに対峙した桜である。

初戦でギルガメッシュに攻撃できたのはこれまでで桜だけではないだろうか。

桜の明るい歌の終わりと同時に、人を襲い魔力の補充を行っている場面展開はすごかったです。これまでシリアスな展開になっているのに、明るい歌が始まるとその明るさが不気味に移りますね。

この明るい歌が主題歌が対比的でしたが、どこか似ているというのが印象でした。擬音語を重ねて表現されていることが共通しています。主題歌もCMでは一部だけでいたが劇場でロングバージョンがくことができてよかったです。(多分CDか配信かどちらかで買います)

 

3章では2章で敵になった桜そして動き始めたギルガメシュとどのように対峙していくのかすごく気になります。なにせ士郎サイドにサーヴァントがいないのが絶望的ですね。

3章が来年の春なので1年間楽しみにして待っています。

 

そして、最後にやっぱり印象に残ったのは制作サイドが力が入っていたのが桜の描写ですね。絶対テレビではできないかなり攻めた表現がされているのがすごかったです。(これは来年のテレビ放送はできたとしても規制が入るだろうなと思いました。ノーカットでオリジナルを見れるのは映画とブルーレイなどだけかなと思いました)しかも、桜の中にある歪みをしっかりと各所に描かれていたのはすごかったです。それぞれの登場人物が、何かに気づいていながらそんなことは無いと考え無視して生きているという印象が強かったので、3章でそれぞれが自分の中にある間違いや理想とどう向き合っていくのかを楽しみにしています。


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